はるばる受け取りに行くも、「今日は売り切れ。TGTG分はないよ」と連敗が続いた、TGTGこと、TooGoodToGo。(※デンマーク発のフードロス対策サービスで、アプリから閉店直前の余り物を安く購入出来ます)
欧州周遊の末に日本に帰国するため、再びデンマークに帰ってきた私たち珍道中二人組は、最後デンマークに1泊する間に何とかTGTGで食品をゲットしたいと考えていました。
デンマークで最終日に宿泊すると決めていた家は、Airbnbで見つけた人気のお宅でしたが、場所がかなりの郊外。
大雨に濡れそぼちながら、本当にこっちの方向でいいのかという不安の中、重い荷物を背負ってとぼとぼ歩いた畑の中の真っ暗な道。
両脇真っ暗な畑の先に、ようやく民家らしき灯りを発見し、闇の中でチェックインさせてもらったお宅は、一晩明けて晴れ渡った空の下で見ると、広くて美しい庭と、明るくて美しいリビングのある、素晴らしいお宅でした。
今日は夜便で帰るという最後の一日。
朝目覚めて、ベッドルームで荷物のパッキングをしながら、TGTGの出品を検索します。
TGTGでは、ユーザの位置情報をもとに、今いるところから近い順に品物が表示されます。一覧画面には商品のイメージ写真と、店の名前とコレクションタイム、値段と今いる場所からの距離が表示されています。
一覧画面で店舗のリンクを押下すると、詳細画面が開き、商品説明と、残り個数(写真では、あと5個と表示されています)、BUYボタンが表示されます。
購入すると、電話番号とメールアドレスの入力欄が出てきて、何個買うか+−で指定して、BUYする、という流れです。電話番号とメールアドレスは初回のみ入力です。
決済するクレジットカード情報の登録がまだの場合は、ここでカード情報入力画面が出てきて、カードの番号、名義人、有効期限、CVCを入力します。
paymentをcompleteすると、4桁のパスコードを入力するよう促されます。これは受け取りをスムーズにするためのPINコードとのことです。
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一覧には、美味しそうな寿司の写真などもでてきましたが、受け取り時間が21時台と、残念ながらフライトに間に合いません。
でも、空港からもこの家からも近くはないけれど、夜便の空港に向かう前に立ち寄って受け取れそうなパン屋を発見したのです! それが、John’s Kagehusというお店でした。
TGTGでは地図上で、どの辺りの場所で商品が出品されているか確認することができます。
何個のパンが来るのかわかりませんが、価格は29DK(デンマーク・クローネ)。当日のレートでおおよそ500円ほど。
とりあえず予約をして、その場で料金をカード決済。
引き取りは夕方なので、昼間はゆっくり過ごして、空港に向かう前にパンをゲットして、・・・うーん、そのまま飛行機に乗るのか。
搭乗直前にパンをいっぱいもらってしまったら、すぐには食べきれないし、日本まで持ち歩かないといけないし、捨てたくはないし、と不安がありましたが、背に腹は変えられない。
百聞は一見に如かずを唱えていろいろな事例を見てきましたが、TGTGを体験できずに帰国するのは心残りです。
最悪、パンを手荷物にして飛行機に乗るしかないな、と肚を決めて、BUYボタンで決済しました。
注文すると、登録したメールアドレスにメールが届きます。
しかし、デンマーク語なので読めません・・・。
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予約をしてしまうと、午前中は家主さん自慢の庭を見せてもらったり、犬をかまったり、お茶を飲んだり、昨日拾ったリンゴを食べたりして過ごしました。
そして、11時頃、そろそろ出掛けようとしたところで、家の玄関の鍵の閉め方がわからない・・・。トラブル発生です。
家主さんは仕事に出かけていて、鍵の受け渡し方法は教わっていたのですが、鍵の閉め方がわからずに出かけられないとは、思わぬ落とし穴です。
メッセージしても返信がなく、1時間ほど待ってみて、さらに何度かガチャガチャやってみたらようやく閉め方がわかりました。予定より1時間以上も遅れて、ようやく出かけられる運びになりました。海外の家のドア、要注意。。。
トラブルはまだまだ続きます。
実は、お土産に買おうと前々から思っていたスーパーマーケット・チェーンのグッズを、満を持してホストさん宅の最寄りの店舗に買いに行ったのですが、どこの店舗にもあるだろうから後ででいいや、とたかをくくっていた品物が、ホストさん宅の最寄り店舗になかったのです。
仕方なく別の店舗を調べて、バスなども使いながら数店舗を回るも、先ほどの店と同様やはり品物がなかったり、目の前で日本人観光客が買い占めて行き売り切れなど、波乱万丈でした。
バスの乗り継ぎがなく1時間近くも歩いたり、次の店に向かいかけて、やはりパン屋の引き取り時間に間に合わなくなりそうだからと戻ったり。相変わらずの無計画ぶりです。もちろん、重いバックパックを背負ったまま。
結局、珍道中は最後までそんな感じでした。
パン屋の引き取り時間は17:15-17:30のわずか15分間。
何が何でも間に合わないと、これまでの努力が水の泡です。
スーパーマーケットを回っているうちに、今度は現金が減りすぎて、パン屋に行くためのバス代が不足する事態に。ATMまで歩いて戻ったり、バスに乗ったら行き先が想定と違っていて途中で降ろされてしまったりしながらも、何とか17時10分すぎギリギリに目当てのパン屋の目の前に着くバスに乗ることができました。
いよいよ感動のパン引き取りです。
店は、街のパン屋さんといった感じで、店内も2-3歩で歩けてしまうほどの広さ。
店員は年配の女性が一人いるのみでした。
店に入って行き、店員の女性にスマホのTGTG画面を見せると、すぐに合点して、既に左側のガラスケースの上に並べてあった5個の紙袋を示して、「どれを持って行ってもいいよ」と言います。
同時に、こちらが示した受取確認画面をスワイプ。これこれ!これが見たかった。
スワイプ後の画面は不可逆なので、購入者が誤って自分でスワイプしてしまうと品物を受け取れなくなると注意喚起されています。
紙袋の一つを取って店を後にしようとすると、後から赤いTシャツのお兄さんがやってきました。スマホ画面を見ながら店に入っていきます。
もしかしてTGTGの受け取り?!
店の外から観察していると、やはりTGTGでした。
お兄さんもスマホを店員にスワイプしてもらって紙袋を持って出てきました。
そして、一時的に外に繋いでいた白い犬を連れて、ぶらぶら徒歩で帰って行きました。
犬のお散歩ついでにパンを受け取りに来たという感じです。
このお兄さんを見て感じたのは、TGTGのようなサービスは、やはり近所の人が一番便利に使えるのだろうな、ということです。
そうでないとタイムリーに10分間とか15分間を狙って取りにくるのは大変だし、私たちが過去そうだったように、交通手段を使って向かっている間に、品物が売り切れて受け取れなくなるということだってありえます。
食べ物なので腐ったり傷んだりと物理的な消費期限もあるため、広域ではなくできるだけ地元で消費することに親和性があるのは勿論ですが、顔が見える経済圏内で共にフードロス削減に取り組めて、売り手も買い手もwin-winの関係を作れるところが、このサービスの良さだと思います。
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パンを無事にゲットした後は空港に向かい、夜20時過ぎの空港ベンチでようやくパンの紙袋を確認。
パンは結局、14個も入っていました。同じものは2個だけ。惣菜パンなどはなく、すべて生地だけのパンなのですが、白パンあり、黒パンあり、ハード、セミハード、胡麻付き、揚げたの、などなど、バラエティに富むパンが入っていました。
夕飯代わりにむしゃむしゃ食べられるだけ食べて、残りは紙袋だと乾燥しそうなので、二人で分けてビニール袋に移し、飛行機に持ち込むことに。もちろん捨てずに最後まで食べました!
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