Wefoodは、「Denmark’s first-ever surplus food supermarket(デンマークのまったく初めての余剰食品スーパー)」を謳っているお店です。
https://donate.danchurchaid.org/wefood
デンマークは、国を挙げて食品ロスの削減に取り組んでおり、(目標値)
Wefoodの開店の日に、マリー王女が店を訪れたこともメディアを賑わせました。
http://www.independent.co.uk/news/world/europe/denmark-food-waste-supermarket-we-food-copenhagen-surplus-produce-a6890621.html、国としても食品ロスを減らすことに熱意をもって取り組もうとしています。
皆さんは、上記の肩書「賞味期限切れスーパー」と聞くと、どういう印象を持つでしょうか?
私は、何の気なしに、低所得者層の少し着古されたTシャツの年配の人たちが多く買いに来ているのではないか、というイメージを持っていました。
さて、結果はどうだったでしょうか。
実際に行ってきたときの様子を、できるだけありのまま描写してみます。
このスーパーは、デンマークの首都コペンハーゲンにあります。
コペンハーゲン市内の観光地といえば、
・人魚姫の像
・ストロイエ
・ニューハウン
・チボリ公園
・ローゼンボー離宮
・アメリエンボー宮殿
・ラウンド・タワー
・クリスチャンスボー城
・ニュー・カールスベア美術館
…などが有名です。
これらは、基本市内の、港の北側に(写真参照)位置します。
Wefoodの1店舗目ができたのは、港の南側の、Amager(アマー)という中心地からは少し離れますが、
店が大通りに沿ってずっと並んでいる一角にあります。
(町の様子写真)
クリスチャニアからwefoodへAmager streetを歩いて南下したのですが、
この通りは他にも普通のスーパーが数多くありました。
(他のスーパーの写真)
クリスチャニアから歩くこと、30分程度、やっとwefoodの前に到着しました。
ベーシックな黒に白地で書かれた店舗名、至ってシンプル、オーソドックスなデザインです。
(写真)
さっそく中に入ってみます。
店内は、外観よりもさらにシンプルで、ほとんど装飾等はなく、奥のスペースはまだ準備中といった状態でした。
客層が、「普通の人が買いに来ている」ということでした。
予想としては、低所得者層に位置する人々が大量に買い求めに来ている可能性もあるなと思っていたのですが、
まず入ってすぐの大きなスペースに壁一面に並べられていたのは、「アナと雪の女王」「STARWARS」のキャラクターがあしらわれたポップコーン。(いくら)
これは…買いませんね。
ちなみに、ここで売られているのは、賞味期限が近いものや切れたもの、規格外のものなど、理由は様々だそうです。
われらがデンマーク留学していた仲間によると、賞味期限が切れたものは、「売れるまで」ずっと置かれているそうです。
品ぞろえとしては、
常温の棚
・ポップコーン
・パン(賞味期限切れ)
・各種ジュース(比較的定価が高そうなものが多かった)
・ホワイトチョコのバケツ
・バーベキューソース
・少し傷んだ梨
・少し傷んだトマト
・少し傷んだマッシュルーム
・グリッシーニ(細長いクラッカーのようなもの)
・グラノラバー
・食器洗い洗剤
・室内用観葉植物
冷凍庫
・ポテトフライ(冷凍品)
・パン屋のフランスパン
冷蔵庫
・各種ジュース(比較的定価が高そうなものが多かった)
・ケーキ
etc.etc…
(写真を紹介)
ここですべての買い物が終えられるというほどではありませんが、
かなり色々おいているなという印象でした。
数十分ほどじっくり店内を見回りましたが、その間にも野菜や果物類はさっさと売れてしまっていました。
金額は、ものによりますが、定価の3分の1~半分くらいかと思います。
店内の店員さんに話を聞いたところ、
買い物に来る人たちは、環境によいことをしようという思いで買いに来ている人が半分くらい、
あとの半分は単に安いものを買おうと思ってきているということでした。
来ている客層は、まったく外のきれいな街並みを歩いている人たちと変わりがなく、
おしゃれでこぎれいな人達でした。
もし、「地球環境にいいことをしよう」という意識の高い人が多いとすると、
お金持ちの女性が多いか? と思うと、そうでもなく、20代~30代の女性や男性も見られました。
では日本はどうでしょう?
日本では、まだ「余剰食品の専門スーパー」はありません。
ただ、現時点でも、賞味期限が近くなったり、規格外のものがすべて廃棄されているわけではありません。
1.スーパー内での安売り
最も身近なのは、日常的に使うスーパーでの割引で売っている例です。
各店舗で作られている惣菜、生鮮食品、乳製品、日配品といった賞味期限が近いものから、賞味期限が長いドライ品、飲料等に至るまで、どこでも実施しています。
百貨店でも、「勿体無い」を全面に打ち出すことによって、賞味期限が近い商品の売りきり活動が行われています。
葛飾区にあるABS(エビス)というスーパーでは、賞味期限があと数日というインスタントコーヒーの様々な種類の入ったセットをその事情を説明した上で五分の1ほどの値段で売っていました。
賞味期限が近いものや規格外の物などを積極的に仕入れてくるルートを持っているそうです。
2.ソフトドリンクメーカー
ある飲料メーカーでは、賞味期限が近くなったものは、多少安くで卸すこともあるそうです。
付き合いのある多数の流通小売の中で、引き取り手を探すのだとか。
3.八百屋の例:
八百屋で、学校や会社の食堂等、大口のお得意さんとの関係を持っているところは、お得意さんとの良い関係が構築されていれば、
「多く仕入れ過ぎてしまった野菜を、まだ大丈夫なうちに引き取ってもらう」というお願いをして、代わりに、そのお得意さんの急なお願いも
できるだけ対応する、といった互いに融通し合うことが日常的に行われているそうです。
今後は、こう言った部分的に行われている訳あり商品の流通がより一層充実すると廃棄する量は減ると考えられます。
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