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第4回「食品産業もったいない大賞」事例発表会
Ayako
2017年3月2日
フードロス
「食品産業もったいない大賞」とは、一般社団法人日本有機資源協会(JORA)が、その年とくに成果を挙げた、食品産業分野での地球温暖化・省エネルギー対策、及び食品ロス削減等を促進する取組みに対して表彰を行っているものです。
2016年度は4回目となり、大賞1者の農林水産大臣賞を、大学を中心とした6次産業化の取組みが、その他の賞を、先進的な取組みを行う団体などが受賞しました。
「食品産業もったいない大賞」について
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/ondanka/mottai/mottai.html
主催:一般社団法人日本有機資源協会
協賛:農林水産省
後援:環境省、消費者庁
第4回の受賞者(出典:http://www.jora.jp/mottainai4/)
——————————————–
農林水産大臣賞 受賞者 【1者】
○松本大学、長野県中信地区6次産業推進協議会(2者連名)
・そば粉とわさびのゼロミッションプロジェクトによる安曇野6次産業の推進
農林水産省食料産業局長賞 受賞者 【5者】
○熊本県立熊本農業高等学校
・高校生による「規格外海苔からブランド卵・海苔ノリたまごの開発」
○コカ・コーライーストジャパン株式会社、一般財団法人蔵王酪農センター、宮城県蔵王町(3者連名)
・茶殻と乳清を地域資源に ~地元産エコフィードで育てた牛による蔵王町振興の取組~
○食品ロス削減連合会
・需要予測の精度向上・共有化による作りすぎ廃棄ロスの削減と省エネ
○日本マクドナルド株式会社
・オーダーメイド方式によるファストフードの食品ロス削減
○福井県
・「おいしいふくい食べきり運動」と「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」による食品ロス削減の取組
食品産業もったいない大賞審査委員会委員長賞 受賞者 【6者】
○味の素ゼネラルフーヅ株式会社
・ペットボトル商品への再生耐熱PET樹脂100%導入による、「完全循環型リサイクル」の実現
○味の素冷凍食品株式会社 九州工場
・低温水熱源ヒートポンブ利用など、各種取組による熱エネルギーの有効活用
○株式会社伊藤園
・遊休農地と地域人材を活かして新たな茶産地を創生
○国分グループ本社株式会社
・輸配送時のもったいない待ち時間削減のための「入荷受付システム」の導入
○生活協同組合連合会コープ東北サンネット事業連合
・生協の物流を使って東北6県に広がる、被災地だからこそ出来る災害用備蓄品の有効活用
○ヤマキ株式会社
・「鰹節だし抽出殻」の調味料化による資源リサイクル技術の確立
***
2017年3月1日(水)午後に茅場町で表彰式と事例発表会が行われ、聴講しました。
農林水産大臣賞を受賞した長野県の事例のプレゼンテーション内容をご紹介します。六次産業化事例としても、産学連携事例としても、フードロス削減の観点でも、とても素晴らしい事例だと感じました。
***
農林水産大臣賞 松本大学、長野県中信地区6次産業推進協議会「そば粉とわさびのゼロミッションプロジェクトによる安曇野6次産業の推進」
(当日発表は、松本大学 人間健康学部健康栄養学科の矢内先生)
栄養士を養成する学科だったことから、栄養価が高いが捨てている「蕎麦殻」=「製粉残渣」は、何かに使えると目をつけていた。(従来の蕎麦粉の2−3倍のたんぱく質、約2倍の食物繊維を含む。)
しかし当初は、この「製粉残渣」をうまく集めることができなかった。
地元の方の紹介を経てようやく自由に使える製粉残渣を手に入れられるようになり、それから成分研究や製品化の試行を繰り返した。
そして開発した商品が「焙煎蕎麦粉EX」。松本大学と地元商工会との連携事業として商標を取得。
玄蕎麦を蕎麦粉にしたものは蕎麦屋へ、残りの製粉残渣は焙煎蕎麦粉EXになり、残る蕎麦殻は燃料ペレットにして活用している。これによりゼロエミッションを達成。
さらに、「焙煎蕎麦粉EX」を材料として学生主導で製品開発。美味しいフィナンシェなどができた。
また、地元企業との提携により、ヒット商品となる「アルクマそば」を製品化した。他にも「焙煎蕎麦粉EX」を、クッキーやバウムクーヘン、蕎麦饅頭などの原料として用い、事業として安定した収益を得るまでになった。
廃棄していた材料を使用するため材料費は無料。費用は人件費と光熱費のみでできるため、収益性が高い。さらに、地元の雇用を生み出すことにも貢献している。
他にも、以前は捨てられていたわさびの葉を使い、わさび葉ペーストを製品化。緑色の天然着色料として、また、辛味やわさび風味を加える調味料として製造している。
チロルの森と共同開発したわさび風味のウインナーソーセージが、ドイツ農業協会主催の国際品質協議会において、最高位の金賞を受賞するなど、成果をあげている。
他にも、コロッケ、豚まん、お焼きなどにペーストが使われている。
成功のポイントは、第一に、地域の食材を生かした「素材」の開発をしたこと。商品を開発すると、先の広がりがないが、素材を作って幅広く利用してもらうことで、広がりが生まれる。
また、地元の商工会や企業との連携を積極的に行うことで、製品の幅や販路を広げたことも大きかった。今ではご当地メニュー開発などにも参画している。
何よりも重要と考えていることは(発表者の矢内先生曰く)、「最後まで関わる」こと。
大学が中心となって一次・二次・三次産業をつなげる役割を果たすことによって、円滑に事業を進めることができると考えている。これを「松本大学 地域活性化モデル」として定義付けている。
事業としての黒字化も成し遂げ、今後はさらなる飛躍を見込んでいる。
***
その他の受賞テーマについては、JORAのwebに概要が、各団体の発信情報に詳細内容が、掲載されているようです。ご関心ありましたらご参照ください。
http://www.jora.jp/mottainai4/
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