映画「0円キッチン」ダーヴィド・グロス監督講演メモ
◆ダーヴィド・グロス監督講演(メモ)
子供の頃に料理を学び、その後ジャーナリストになった。
その両方を合わせて食糧廃棄をテーマに選び、ジャーナリストとして活動してきた。
スーパーの大型のゴミ箱にダイブするジャーナリストとしてこの活動を始めた。
初めてゴミ箱にダイブしたときの感想は、パン、バナナ、野菜、全てがフレッシュで全然食べられるのに、それらが150ユーロ分ほどもあることにショックを受けた。そして、勿体無いと腹立たしく思った。
映画では、キッチンカーを自作して、6名のチームでスタートし、旅先で残り物料理をふるまった活動を記録している。約13億トンの食料が毎年世界で捨てられている、これは生産されるものの30パーセント。
地域の野草や花も料理に役立てる。
異常気象でここ数年、やたら大きい規格外野菜ができるようになってしまった、と有機野菜農家が言っていた。
大きいズッキーニは不味いと敬遠されるが、そんなことはなく、美味しい。
しかし、料理して子供たちにふるまうと、食べたくないと拒否する子もいるが、食べた子は、ミルワーム入りの方が美味しいとコメントした。
食べ物が少ない地域に昆虫食を教えたらどうか?と先生は言う。未来の人間は何を食べているのだろうか?
EUは食料廃棄を減らすことを目標に掲げているため、ダーヴィドは、キッチンカーを持って欧州議会にも乗り込んだ。
その先の顛末は、詳しくは映画で。日本は食料廃棄問題とは関わりが深いと思っている。
というのも、道元が正法元蔵の中で、食物を粗末にしてはいけないと説いているし、禅もあるから。
日本では年間600万トン以上の食料が廃棄されている。誰でも食品ロスを減らすことができる。
そのためには自分たちが行動することが重要。
冷蔵庫に入っているものを、賞味期限切れになったら捨ててしまうのではなく、食べられれば食べることから始めてほしい。チョッピング パーティというのも楽しい。
昨日、日本でも初めて、天現寺大使館という場所でチッピングパーティを行うことができた。今ではゴミ箱ダイバーは500人にまで増えた。
ネガティヴなイメージがある、ゴミ箱から拾って食べるという活動だが、ここまで広がってきたのは、みんなで料理して楽しむという要素が貢献していると考える。
スーパーマーケットのマネージャーを敵視してラディカルにシャウトするのではなく、クリエイティビティを発揮して、人をつなげて場を提供して楽しむやり方をしたい。
そうすると、サプライヤーなども同情したり巻き込まれてくれるのではないかと考えている。
ヨーロッパには、We are what we eat.という諺もある。